元夫が養育費を払わない場合の強制執行の手順



強制執行、つまり「無理やり差し押さえる」対象となる財産は順番にあげると、

@預金、給与
A不動産
B動産(車など)
となります。

1の場合の強制執行のイメージですが
 銀行の口座を止めて、入出金をできなくする
 残高のうち、養育費慰謝料未払い分をあなたの口座に振り込む
という形になります

サラリーマンの方でも、自営業の方でも、個人名義の口座が、突然、入出金ができなくなれば相当に焦りますので、大きな心理的プレッシャーとなります。

また平成16年に民事執行法の改正がありまして
養育費の強制執行は将来の分まで可能となりました
例えば、今までの未払い分が40万円 将来支払う養育費 400万円
という場合なら、440万円を強制執行することができます
ただし、強制執行ができるのは調停調書の記載の仕方に問題がない場合です。


強制執行の準備
強制執行は裁判所を利用して相手の財産から強制的に回収するため、それなりの準備を整える必要があります。

1、債務名義を手に入れる
 債務名義とはある請求権(債権)について強制執行できると国が認めたことを証明する文書のことです。
主な債務名義は、
 確定判決
 和解調書
 調停調書
 仮執行宣言付支払督促
 公正証書(請求内容が金銭、代替物、有価証券で執行認諾文言がある公正証書)
 です。

2、執行文の付与を受ける
 債務名義の執行力が今でも有効であることを認めてもらう必要があります。
 判決、和解・調停調書はそれぞれの記録がある裁判所の書記官に執行文付与申請書を 提出することになります。
 公正証書は作成した公証人役場に口頭で申立てることになります。
 支払督促、少額訴訟の判決の場合には執行文の付与は必要ありません。

3、債務名義を送達し、送達証明書を入手
 強制執行をする前又は強制執行と同時に相手に債務名義を送達しないと、強制執行はできません。送達したら送達証明書を手に入れておいてください。
 
 判決と支払督促は裁判所が職権で送達してくれますので送達申請をする必要はありません。送達した裁判所の書記官に送達証明申請書を提出して、送達証明を取得してください。 
 和解・調停調書は記録のある裁判所の書記官に送達申請書を提出してください。その後、送達証明申請書を提出して、送達証明を取得してください。

 公正証書は作成した公証役場で謄本を入手したら、その公証役場で裁判所の執行官に送達申請をしておきます。その後、送達証明申請書を提出して、送達証明を入手してください。
準備が整ったら、地方裁判所に強制執行を申立てます。



●債権(給与、預金など)を強制執行したいとき

申立場所は、債務者の所在地の地方裁判所です。

 債権差押命令申立書と、その他の必要書類を提出します。
 差押えようとする債権が現在存在するかどうかという点、また、存在するとすればどれぐらいの金額かを確認するために、陳述催告の申立ても同時に行います。

 申立手数料3,000円プラス、銀行への送達のための切手代が必要となります。

●差し押さえの対象となる主な債権

給料
 現在の勤務先がわかれば差し押さえは可能です。
 法改正により、手取の2分の1まで差押えができます。
 

預金
 銀行名と支店名さえわかれば差し押さえが可能です。

 どこの銀行に預金を持っているかわからない場合は、切手代が余計にかかりますが、だめもとで、債務者の家の近くの全銀行に対し、まとめて差押えをかけることを試みることになります。運良くそのどこかに預金があれば、預金を差押えられる可能性があります。
 ただし、養育費の支払い義務者が、銀行に借金をしていると、銀行に相殺を主張されてしまい、銀行が優先回収できるので、養育費の債権回収ができないという限界があります。

 なお、元夫が、行方不明になった場合は、元夫の親族・知人等に問い合わせる方法や、裁判所に強制執行するためと理由を明示して戸籍の附票を元夫の本籍のある市町村役場で入手し現住所を割り出します。これらの方法でわからなければ、探偵会社等の調査を利用するという方法を検討することになります。



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